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富山養得園のあゆみ
 明治30年(1897),明治天皇の母君である英照皇太后崩御の際に減刑令が発出され,全国で多くの受刑者が釈放されました。
 当時の富山の先駆者乗杉教存師は,富山県でも多数の釈放者が発生したのを見て,その保護の必要性を感じました。
 乗杉師は,出所して帰る家もなく,また頼るべき人もいない釈放者に対し,職業を与え再犯防止をすることを目的として,明治32年(1899)6月,富山市鹿島町に家屋の一部を借り受け,富山監獄から2人の少年を引取って免囚保護事業をスタートさせました。
 同年12月には名称を富山県免囚保護会としました。
 初代会長には当時の富山県知事が就任され,大正13年(1924)7月までの12代にわたって富山県知事を会長に戴いて運営されました。
 その後,13代から25代までの園長は,検事局検事正(後の検察庁),26代園長は富山刑務所長が就任し,27代からは民間の有識者が就任しています。
 なお,昭和45年7月(1970)の28代園長のとき,経営の責任者を理事長にあらため現在に至っています。

 

富山養得園の目的
 富山養得園は,富山保護観察所の指導のもとに,非行をした少年,刑務所から出所した者,刑の執行猶予や起訴猶予の処分を受けた者で,身許引き受けがなく,保護を必要とする者を収容して生活指導,更生相談,就職斡旋等の補導援護を行って自立更生させ,より良き社会人として社会復帰させることを目的として運営され,個人の福利を図るとともに,再犯の防止により社会を犯罪から守り,広く公共の福祉を増進するため,重要な役割を果たす施設です。

 

富山養得園の沿革
 明治32年 6月  富山県独立寄宿舎設立(3月加島町で免囚保護事業に着手)
 明治32年12月  富山県免囚保護会と改称
 大正 2年 1月  富山市太郎丸西町1―17-7に新築移転
 大正 4年 6月  富山養得園と改称
 大正10年 4月  収容室と事務室を増築
 大正10年 6月  主務大臣の経営認可を得て財団法人富山養得園と改称
 昭和25年11月  更生緊急保護法施行により,経営許可を得て再発足
 昭和40年 3月  木造園舎を鉄筋コンクリート2階建てに改築
 昭和56年 3月  少年棟増築(鉄筋コンクリート2階建て)
 平成8年  3月  施設全面改修
 平成  8年  4月  更生保護事業法施行により,更生保護法人に組織変更
 平成31年 3月  施設全面改築
              
収容する対象者
(1)    刑務所等から釈放された者
     ・刑務所を満期で釈放された者
    ・刑の執行猶予や起訴猶予の処分を受け,釈放された者
    ・その他罰金等の処分を受け,釈放された者
(2)    保護観察を受けている者
    ・家庭裁判所で保護観察に付された少年
    ・少年院を仮退院し,保護観察に付された者
    ・刑務所を仮出所し, 保護観察に付された者
    ・刑の執行を猶予され, 保護観察に付された者

居 室

食 堂

処遇の状況                
◆宿泊・食事の供与
 被保護者は、規律ある中にも自由で温かい雰囲気に包まれて生活し、調理員による栄養バランスのとれた手作りの食事の提供を受けます。また、県内の更生保護女性会員による年間45回(毎日曜日夕食)の給食支援をいただいております。
 差別や偏見のない環境の中で、社会の善良な一員として誠実に生きる力を身に付けさせます。

 

 

 

 

 

                      HWC(障害者用トイレ)
                      オストメイト
                      生活指導


規則正しい生活,金銭管理,酒害問題などについて,補導職員が適切な指導を行っています。対人関係を円滑にするための社会生活技能訓練(SST)を実施しているほか,
毎日の朝礼時に生活のあり方,酒害,ギャンブルの弊害,薬物離脱等に関する訓話や指
導を行っています。また,定期的に個人面接の形で悩みや自立更生の弊害を取り除くための助言なども行っています。

 


                      教養室

 

 

 

 

 


就労指導
 ハローワークと連携し,就労支援活動が行われております。また,早期に就労が出来ない者には,協力雇用主の協力のもと一日も早い就労の援助が行われています。

◆健康管理
恩賜財団済生会なでしこプランの一環として, 済生会富山病院の院長他職員の協力により,当園でインフルエンザの予防接種を受けたり,診察や健康診断など必要に応じて援助をいただいています。

◆関係機関との連携
被保護者は,一人ひとりの問題性に応じた対応が必要になりますので,富山保護観察所の指導を始め,特に富山刑務所,協力雇用主,ハローワーク,済生会富山病院などとの連携を大切にし,また高齢者や身障者など特別な援助が必要な者には,「富山県地域生活定着支援センター」と連携して福祉へつなげることにも配慮しております。

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多目的ホール.PNG
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